『天職』(1)仕立屋

コロナの影響で飛び込み営業もできず在宅が増え、
思うように成績が伸びない中、
どんどんと性欲だけが勝手に湧き出す、塚田康平、36歳。

妻子持ちだが、地元の祭りで酔い潰れた際、
物好きな老人会の爺さん達に悪戯されたのが
妙に興奮したのがキッカケで、
身体は正直でその後は
毎年欠かさず祭りに出て快楽を煽った。

この春から地元でも有名な中堅の不動産会社へ転職、
最初の1~2年は修行と一番遠い地方の支店へ配属され、
単身赴任を伝えたら村の小さな商店街の人達にも
すぐに可愛がられた。

コロナで在宅も増え空いた時間で副業にと、
地元にいた頃祭りの会長でもある床屋の爺さんの紹介で、
水の宅配やらリフォームの営業をして回ることに。

チラシも作っておいた、と渡された紙を見て驚いた。
『私がお伺いします!』
の文字横にはピチピチのスーツ姿の俺。
よく見ると下半身は露骨なほど竿や玉の形が丸分かり、
もう一枚、祭りで雨に濡れ肌色が透けて見える
褌姿の自分が使われていたからだ。

こんな卑猥なチラシに飛びつく輩なんて、
余程の物好きと思いきや、反響はすぐに来た。

その村の商店街の仲間内では
1番パソコンに詳しいという町内会の会計係、
五十代後半、仕立屋店主。

オタクという言葉のひと世代前
几帳面な面持ちという表現が良さそうな、
歳のわりに後退した生え際に老眼鏡をのせながら、
すぐに分かったよ、とチラシ片手に迎えてくれた。

こんなボロ臭い仕立て屋でスーツ新調する人なんて
居るのかどうかと見回していると、
どうぞ、とお茶が差し出され、
家内が早くに他界し一人娘も都会へ嫁いで
今はひとりモンだの世間話をしながら、
水のリースの説明をした。

重いモン持たんでええし、
ワシみたいなのには有難い、
老人会メンバーにも今度紹介すると、
二つ返事で契約してくれた。

が、その後が長かった。

もうこんな時間だし閉めるかと、
そそくさと看板を消し、
レースのカーテンをさっと閉めて
店じまいをし出したかと思うと、
そうそう、このチラシを見て思ったんじゃが、
御礼にスーツを一着仕立てますよときた。

ほら、ここ、こんなにパツパツじゃあ、
みっともない。と、
竿と玉を無理矢理左右に押し込み、
ゆで卵が腫れた様な膨らみを触ると、
ワイシャツも脱いでここへ立ってと、
ちょっと風変わりな身長計へ案内された。

一瞬戸惑いながらも素直に応えたのは、
それまでと真逆に、機嫌が悪そうなくらい
強引で荒々しい態度に一変したからだ。

ほら、さっさと脱がんか、と
急かされるようにして剥ぎ取られた上半身。

シャツは一瞬鼻に近づけ匂いを確認すると
木製のトルソーに投げかけた。

しっかり頭をつけてと、
初めて見る木製の身長計は、
頭がブレないようにヘルメットのような
被せ物が上から下りてきてしっかりロックされ、
首を左右へ振ることさえできず、
ただ前を向いて立っているだけの拘束具のようだった。

首周り、肩幅、腕の長さを図り終えると、
窓の隙間から見知らぬ老人が会釈して通り過ぎたと同時に、
生暖かいメジャーが乳首に触れた。

「動かんで」と怒鳴る声に怯えながら、
すぐ目を瞑ったのは、部屋の灯りが消え、
目の前の鏡の横のスポットライトだけが
こちらを照らしたからだ。

眩しさのあまり、じっとしていると、
店内の冷房も消えのぼせるように汗が吹き出した。
後から思えば、さっきのお茶には企みがあったのかも。

そんな事を考えていたら、
ネクタイで目隠しされ、
腕も後ろ手に固く結ばれた。

ウエストを測り終えたメジャーを
もう一度乳首の位置に変えたかと思うと
ギュッと縛って余った部分をズボンに押し入れた。

「じっとしてろ」と耳元へ暗示されると、
カチャカチャとベルトを外されながら揺れるメジャーに、
あっと息を漏らした。

ふふ、と、不穏な笑みが微かに聞こえたあたりで、
もう完全にこの親父に支配され動けない自分が居た。

弄ぶようにゆっくり手こずる素振りを見せかけ、
乳首への刺激を楽しむ店主に、
もはや、これは採寸でもなくプレイであると自覚した
自分の股間がそこにあった。

その時、ふと、違和感を感じたのは
どうやらこの場に居るのは私と店主、
そして、もう一人誰かが増えた事だ。

ほぅ、これはこれは、と小声ながら
店主とは別の人間が背後から手を伸ばし、
ズボンの膨らみに手を当てては離し、
当てては離す、何とも優しいその感触で、
さらにチンポが脈打った。

ジィーーーーー、

静まりかえった部屋の中、
初対面の親父がゆっくりゆっくり焦らしながら
左手で俺のチャックを開けている。

反対側の右手は、小さな蛇のような人差し指が、
ネチネチネチネチと何かを粗探しするかのように
這いながら侵入し、パンツ越しでもわかる
モジャモジャな陰毛を愉しんだ。

ご、、、ごくっ

唾を飲み込んだ瞬間、またもや、
ジリジリと音を立て下されるジッパー。

さらに下へ下へと突き進む蛇の舌先は、
大きく膨れ上がった肉片を捉え、
獲物のありかを主に教えた。

さらに奥へゆっくり進み、
その長さと太さを確かめるよう
左右に大きく身を振りながら、
じわり、じわりと突き進む猛毒の蛇は、
二匹三匹と数を増したかと思うと、
背後からまた一匹、二匹、我先にと
小さな穴から入り込んでは、
その先端の要の部分へ向かって一気に騒ぎ立てた。

あ、、、

声が漏れたのは、人の体温ほどに温まり
湿度を帯びたビラビラの物体が
乳首に纏わりつき出したと同時に、
ポロンと獲物のかたまり全てを
根こそぎチャックから引っ張り出した。

今時珍しいブリーフに収まり切らず、
パンパンに膨れ上がった若き肉の塊は
その顔を上げきれず窮屈そうに布一枚で押し込められ
雄である証を見せつけんと
膨れ上がった亀頭から強いアンモニア臭を漂わせた。

すると、居なくなったはずの蛇が、
また、チロチロと舌なめずりで
次の獲物を探し当てた。

本当は天高く空仰ぎ真上を向いて
自身を晒したいオオナマズの反りの下、
ぽかんとできた左右の空洞から、
年老いた蛇どもは
またしても若き精の巣どこを探し這いずり出した。

大きく前にカーブしたオオナマズの裏側が
こんなにも居心地のいい場所だと知ると、
先端から付け根の裏側を筋に沿って這いずり廻った。

その間、乳首に纏わりついた肉片は
上下左右レロレロとおびただしく動いて離さない。

「そろそろだな」

低い声が聞こえた瞬間、
金玉に冷たい金属が触れた。

プロ用の大きな裁断バサミだ。

全身に震えるような電流が走った瞬間、
ジョキっと音を立て真っ二つに切り裂かれたブリーフ。

それまでなんとか包み隠していた巨大なオオナマズが
大きく下から上に向かって跳ね上がると、
仕立屋店主の顎元に引っ掛かり、
またしても行く手を憚られた。

ふふふ、、元気だな、

ほくそ笑みながら、その暴れん坊の首を
ぐいぐいと下へ引っ張り下ろしては
負けじと喉元を突き上がろうと
必死にもがく若き肉棒を
じょりじょりじょりじょりと
白髪混じりの顎髭に擦り付けて応戦する。

うう、、、、、、、

ぁああ、、、、、、

細かいヒダヒダが竿にチクチク突き刺さる、
その感覚がなんとも言えない痛さと快楽の両方を
行ったり来たりすることを初めて知ると、
情けなくも耐え凌ぐ自分の姿に興奮が
エスカレートして目の前が真っ白になった。

そのとたん、喉元を抉りながら
突き刺すように生意気に反り返った極太の肉棒を
激しく痛めつける数千の針先共が、
雁首と亀頭そして頂上の尿道口を
ぐいっとエグるように大きく摩擦すると
真上に向かって白い雄叫びを上げて
大量の精液を飛び散らかした。

全身を大きく揺らし、
まだなお、ぜいぜいと荒い呼吸が続く中、
扱かれた訳でもなく、しゃぶられた訳でもなく、
ただ、ただ、男の男たる部分に、
己の男がぶつかり擦れ合わさっただけで、
こんな快感を得て吹き出してしまうとは。

何故だか分からないが、もうその意味さえ、
どうでも良いと思った瞬間、
ズボズボズボッと音を立て
親父の口と舌と歯茎が
まだ萎える事を知らずに
ビクンビクン波打ったままのオオナマズを
まるごと奥まで飲み込んだ。